痛み

2006年6月25日コメント (2)
 誰かが呟く
「痛い」
 それは大切なことだから
 逃がさないように急いで口を閉じなさい。

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 そのうち書くと思う詩の覚え書き

潮時かな……。

2006年6月24日 雑記
 何がっていろんな事が。
 ついにベランダで煙草を吸っていることが親にみつかる。ボックスに入ってるのはあと二本だけ。
 それほど怒られはしなかったけど(むしろ呆れられた)やっぱりバツは悪い。
 まあ、良い頃合いだと思うのだった。
 しばらく不自由が過ぎた。自分の中の言葉をもてあましすぎた。

 退屈だった。たまらなく退屈だった。
 こんなに退屈だったのは久し振りだ。

 そろそろ限界だろう。
 げんかい、だろうな……。

 楽になってもいいし、諦めてもいい気がする。
 誰にも会いたくない気持ち。でもそういう時こそ、誰かに会った方がいいことも知っている。経験則で。

遠くにある謝罪

2006年6月23日
「あの頃、ひどいことたくさんしてごめんなさい」
 と言われた
「ナンノコトダカワカラナイワ」
 そう言って笑った。

 さんざ痛めつけられたのは中学の時
 ようやく謝罪を受けたのは高校の時

 たくさんの嘘とたくさんの欺瞞とたくさんの刃をもらった
 そしてそれをすべて気づかないふりをした
 数年越しの謝罪でようやくそれが報われた気がした。

 あなたが私にしたことは全部覚えてる。
 でももう、全部許しているよ。

 だから今も
 非道いことをされても
 どれだけ痛めつけられても

 いつか相手を許せる日を待っている。
 多分私は詩人にはなれない
 手なぐさめにおさまりのいい言葉を並べ
 自分にスポットとしてあてるだけなら
 あるいはどこにもいかない子供の癇癪をぶつけるように
 悲劇のヒロイズムにひたるだけなら
 私は詩人になれたかもしれない。
 あるいは天賦の才でもって行きをするように詩を書ける人なら

 けれどそうではなかった。
 詩を書くために 私の手が掬うものは
 涙、絶望、そして痛みだった。

 それらは私の生から切り離せない物だ
 しかし寄り添い、息づき、ともに歩いていくものだ。
 断じて抜き出し、えぐり取り、刻み、これみよがしにさらすべきものではない。
 私の人生のファムファタールは
 もっと他にある。

 暗闇の中で膝をつき呟く。
 もはや嘘しかない。

 舞台に立って耳をふさぎながら叫ぶ。
 もはや嘘しかない!

 ひびの入った氷の上に立ち
 太陽の落ちる日を待つ私達
 臓物を汚し血を汚し
 食することもない生きものに手を掛ける私達

 本当のことはいつもかなしい。

 ようやく今ここにペンをもった。
 形無い言葉で夢を描く術を知った。
 なのに私の詩はいつも 本当のことしか紡げない。
 だから私は詩人にはなれない

 願わくば
 もっと光ある夢を
 そしていつか、輝かんばかりの嘘を!

時々

2006年6月20日 雑記
 何してるんだろうっていう気分になる
 多分きっと 大事なことをしてるんだ。
 人から誉められることは甘く優しいが
 追い求めても終いはなく
 遠すぎる道程に
 絶望をおぼえたりする。

 自分のための小説
 という
 快楽

 それは自慰行為によく似ているけれど
 甘く優しく頭をなでてくれる大きな手を自らに与えるのと同じこと
 美しさだけを追い求めろ
 優しさだけを

 そうしていつか

 全ての言葉よ
 甘く時に涙色をして
 わたしを照らす光となれ

甘い煙

2006年6月8日 雑記
 煙草を吸い始めた。
 多分一時だけのことだとわかっているけれど。
 身体いじめだとわかっているけれど。

 あんなにも嫌いだった苦いにおいをまとっている。

 自分の許容を超えることをしたいと思う。
 そのためにはこの弱い意志を律してくれる何かと
 泣かなくてもよくなるためのものが必要だった。

 持っている煙草の量は多くはない。
 あとどれくらいかかるかわからないけれど。
 自分で買うのは少し怖いから
 誕生日も近いことだし、もらおうかなと思う。

 買い始めたらおしまい、のような気もしている。

 一度に吸うのは二本だけ。

 あんなにも嫌いだった煙だけれど。
 今は甘いにおいがしている。

先生と話す

2006年6月7日 小説
 好きだと言ってくれる私の話が好きだった、のは、真実でしかない。
 いつもずっとね、好きだといってくれる人がいたから書けたといってもいい。
 なんというさもしさ! だがしかし。仕方のないことなのかもしれない。

 先生に相談してみたら君ねぇ、といわれて、それは仕方のないことだよといわれた。たとえばここに一杯の水があるとしよう。透明なコップに入った水道水だ。この水一杯の価値について考える。たとえば君がこの水をあおるのと、中東アジアの茶色い井戸水しか知らない子供がこの水をあおるのとでは、全く意味合いが違ってくる。

 この話の意味がわかるね? だとしたらこの話のオチも最早わかるだろう。そういうことだよ。現代日本にありながら中東アジアに住む子供達と同じ感謝を一杯の水にささげることも不可能ではないが、そんな人間は他人からなんといわれるか知っているか?
 病気、といわれるんだよ。

 それはなんだか、ものすごく罪深い話を聞いている気がする、といったら先生は笑うのだ。
 もちろん一杯の水を軽んじるのは罪深いことだ。だがしかし、罪深くて普通、なんだよ。全く残念なことにね。

 罪深くて普通。
 残念で普通、なのか……。
 この身体を流れる血液の半分は
 夢の中から受け継いだものだ

 父が鬼籍に入ったのは
 まだ私の記憶がモノクロだった頃
 箸で掴んだ首の骨が
 やけに白かったことだけを覚えている

 
 理知的で聡明な母は
 わたしの父をわたしのために再構築した。 
 つくりあげられたのは母の夫ではなく
 また祖母の息子でもなかったが
 まぎれもなく私の父だった。

 絵本の読み聞かせをする代わりに
 サンタクロースを語るように父の生き様を語り
 虫歯菌の工事の様子がごとく父の仕事を語り
 そうしてよくある小さな不幸のように
 父の死を語った

 本を読まない
 漫画もサザエさんしか読んだことのない
 テレビも見ない
 嘘が何より嫌いだった 母の
 それは一世一代の壮大なフィクション。

 十六年の歳月の後
 暴かれた秘密は やはり
 嘘を親の敵のように憎んでいた 母の手の上にあった。
 まことの父はそこにある。
 しかし夢と何が違おう。

 
 冷たい石の下に白い砂となって父の抜け殻は眠っている。
「声が聞こえる?」
 十年ぶりの墓参りは そんな母の問いかけだった。
 幽霊も魂も何一つ信じない母は横顔だけで静かに笑った。
「聞こえないでしょう。死んだ人は喋らないのよ」
 そうして口を無くした死人の代わりに
 夢物語を母は語ったのだ

 現は夢。
 夜の夢こそ真。
 なれば。
 瞼の裏に浮かぶ父は。
 偽り事でもあたたかい腕をしている。

 私の心は、夢の父によってつくられた。

 今や全てを知っている。
 嘘も。虚飾も。その痛みも。
 けれどそれが何ほどのものか。

 この身体を流れる血液の半分は
 夢の中から受け継いだものだ

 ねえ
 おかあさん
 おとうさんは
 すてきなひとだったね。
 大人になる
 ということは
 涙を天に返すことなのかと
 思っていた

 女という種族でありながら泣かない母がいた
 男という種族は言うまでもなく
 老体の皺の隙間からにじみ出る物は 涙ではない別の何かだと思っていた。

 生まれてくるはじまりの日に
 男もなく女もなく老体もなくただ 生まれてきたそのために泣いたのに
 冷たい石に横たわる最期に
 誰しもが涙を落とすことはなかった

 理由もなく涙することは無いと言う。
 それは紅葉手を持った赤子のすることだという。
 雨上がりに路地にたまる水たまりが
 涙の落とし物ではないとするなら
 揮発性の高いその液体は
 年月とともに空にかえるのだろう。

 何故かと問うことはない
 切り花の生けられた一輪挿しの水が
 日に日に水位を下げるように
 自然の理念に逆らうつもりもない

 ただ
 私の指先に
 ほんの少し傷をつければ
 そこから流れ出る物は
 赤い鈍色をした涙であるということを
 ただ私が 知っているだけだ

 これは生来の気質だ
 人より少し背が大きかった
 それと同じように
 人より少し この液体の揮発性は ほんの少し低かった

 一人きりの部屋で膝を抱える
 世界のどこかで世界の終わりのような悲鳴が聞こえ
 世界のどこかで薬指のつけねに口づけをする状景が浮かぶ
 誘われる涙は
 理由とは程遠い

 この涙は絶望と歓喜だ
 そして名前もつけられないほど
 美しく研ぎ澄まされた心の動きだ。

 信じられないことかもしれないが
 一人で流す私の涙は
 未だ 私の言葉よりも美しいのだ 
 私の醜さと、私の汚さは、変えがたいものだけど。
 私の卑屈さと、私の矮小さは、変えがたいものだけど。

 原稿用紙とルーズリーフと大学ノートの上に踊る文字に
 きっとそれは何も映らない。

 そこでは、良きものはただ良く、
 美しいものはただ、それだけが美しい。

 勝ち負けはない。そこに。

 そして誰もいない。

 負けてもいいと思いたい。誉められなくてもいいと思いたい。
 それはきっと無理だとしても。
 良いものを書きたい、ということが。
 なにものにも勝ればそれでいい。

 目を閉じて書こう。できることなら。
 ちゃんと私の心を書こう。どうか真摯に。まっすぐに。
 ひかりと夢をえがきたい。

 だれもいない場所で物を書きたい。いつか誰かに、見てもらうために。

絶望

2006年5月24日 小説
 誰かに誉められたくて書き始めたわけではないし。
 誰かに勝ちたくて書き始めたわけじゃない。

 でもね、誰かに誉められてしまった、し。
 勝ってもしまったんだな。過去のいつかにたぶん誰かに。

 できることなら純真無垢でありたかった。
 ならばひとりで書くべきだったんだ。
 誰かと、なんて幻想は捨てるべきだった。
 私はもっと孤独でいたほうが、よかった。

 もっとやわらかく柔軟になるべきだったんだろうか。
 こんなにも生きる力を傾けた、このやりかたは
 間違いだったのかな。
 私はかたくなだったのではないだろうか。

 願いに祈り、信念さえ掲げれば未来は開けると思っていた。
 けれど今どうだ。本当に道は、開けているのだろうか。
 一寸先は闇だ。この先があるのか、誰も教えてはくれない。

 私はたとえば、書くために全てを捨てられるだろうか。

 私はたとえば、消えない幻を追い求めただけだったのだろうか。
 正直に。言おう。
 わたしは、嫉妬をね。していたの。

 信じられないことかもしれないけど。信じられないかもしれないけど。
 どんなにあの人が貴女のことを可愛いと言ったって 好きだといったって 全然嫉妬をしなかったけどね。
 いっこだけ許せないことがあったんだ。
 あの人
 貴女の書く物が
 好きだと
 言ったわ。

 あたし貴女に嫉妬をしたのよ。
 今更になって気づくけど。
 私それに気づかず、なんでもこれみよがしに理由をつけたけど。
 そうじゃなかった。
 嫉妬をしていたの。ね。

 どうしよう。
 私貴女と友達に戻れないかもしれない。
 どうしよう。
 私あなたを
 憎むかもしれない。

 お酒を飲みたい。
 でも
 泣いてしまうから
 しばらくは飲まない。
 ねえあなた、指輪をもらってはくれませんか。
 私のお金でかった指輪を。ねぇ、あなたの好みで構わないから。

 妥協が必要なのでしょう? どこかに。
 妥協が必要なのでしょう、私達には。

 あなたは独占欲の強い女につかまってしまった哀れな男で、
 私は付き合って3ヶ月で指輪を渡すような馬鹿な女になるのよ。
 笑いものに、なればいいんだわ。

 私も自分を笑ってやるわ。
 私も、私達を、笑ってやるわ。

 そうして10年経ったら、お酒の席でこんなこともあったねと笑うのよ。
 そうして20年経ったら、こんなこともあったのよと、私は可愛い娘に言うの。
 ねえ
 もうおしまいにしようよ
 ねえもう
 おしまいにしよう?

「いつか同じ物がみれたらいいね」
「いつかそんな日がきたらいいね」

 そんなことをいいながら
 歩いていくのがつらいです

 違う物を
 見続けなければならないことが痛いです。

 あたしのこと
 おかしいっていう あなた
 あたしのこと
 わからないっていうあなた


 どれだけながいあいだ

 違う物を見続けなければいけないの?

最近

2005年8月30日 雑記
パソコンにむかってられない
10分向かってたら
3分横になってを
くりかえしてる。

しんどい。
 カナダの友達が一時帰国する。
 短い間でも、一日でも会えたらいいな と
 思っていたら

 冬までいるらしい。

 なんでそんなに極端なんだよーーーーーーーーーー!!!!!(笑)

 わたしはいま心底彼氏が欲しく、
 相手はわたしのことがとても好きで、
 わたしも彼のことはかなり好きなんだけど。

 やっぱりわたしの心を締める広さが一番になることはなく
 彼も好きだからといって恋人でなくても一生わたしの事は好きでいてくれるだろうから(そもそもその好きはもはや恋愛ではない気が
 やっぱり会っても恋人同士にはなれないようなきがするんだよな。

 いつまでも貴方の味方ですよと言われた。
 好きですといわれるよりも、それは案外嬉しい。
母が職場に辞表を提出したという。(ほんとうにそういう行動をしたわけではないけれど、実質的に)
それを聞いたわたしを含む子供達の反応はといえば。

あぁ、やっとか……

というものだった。

うちは昔から母子家庭で、
まあ諸事情から表に出る表札の名前が変わり血の繋がらない誰かと住むようになっても、母子家庭であるということは変わらなかった。
父はいない。
ずいぶん昔に死んでしまって、それっきりだ。

別にそれが不幸だとはひとつも思ったことはなかったし、苦労は母親しかしたことがない。
私達はあまりに何一つ不自由をせず大学まで行かせてもらった。

そろそろ母は休んでもいいと思う。

そろそろ母は、休んでもいいころだろう。

父親が死んでもう十三回忌も済ませた。
これまで、あんまりに一人で頑張りすぎだったと、思う。

私達はまだ学生で収入が無い。けれどあと一年、二年経てば。

早く仕事をやめればいいのにと思っていた。
毎日山程の薬を飲んで、半分聞こえない耳であんなに神経の使う仕事を毎日するくらいなら。
本当に、本当に。
ひとつやふたつバイトをすることなんて全然苦ではないのだ。
馬鹿学生ばかりやってる兄妹は。

やっと母が仕事をやめてくれるんだなと、安心する。

彼がかえる

2005年8月24日 雑記
3年近くカナダに国外逃亡していた大事な友人が
出て行ってはじめてかえってくる。

会いましょう、そうローマ字で書かれたメールになんだか不覚にも涙がでた。

多分彼のことが好きだった。
恋愛とはまた違うけれども。
だってそのころわたしにはつきあっている人がいて。だから、彼とは一緒になれなかったというのは、ちょっとだけおかしな話だけれど。
でもうん。
今でも多分、彼のことは好きだけど。

でも、今はもう、そういうことにはならないんじゃないかな。きっと。

恋するよりも大事な関係がある。
私の中で確かに。

彼がかえる。
わたしは彼の目に耐えるだけの、
ひとになれているかしら。
やっと話せるようになった好きな人
わたしは大分疲れているので
糾弾も、同情を乞うことも
もう何もしたくない

何も言わなければ終わるのかもしれない
それでも黙ってそばに居たい

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