苔むし黒ずんだ石段に、小さく白い蛾が舞っていた。
その美しさをなん時でも眺めていられる、香枝子はそんな子供だった。
夏の初めだった。そうでなくても、雨の多い土地柄だった。霧のような雨が濃い緑の先に滴っていた。水を含んだ香枝子の髪の毛先は重く、サンダルのつま先にのぞく足指が濡れていた。晴れれば良いのに、と香枝子は思わない。香枝子にとって、雨はいつか上がってしまうものだった。そして晴れ間はじきに曇ってしまうものだった。そういうものだと思っていたから、特に感慨も望みもなかった。
遠くで水の跳ねる音がした。水が意志持ちたわむれることはないから、それは魚のはねる音であったのかもしれないが、はねるものは魚だけとも限らないから、やはり香枝子にとっては水のはねる音だった。水源をさがすように香枝子は首を曲げた。そのくせ、地ではなく中空を見上げた。
香枝子にとっては、水は地だけを這うものではなかった。
///////////
今書きたい小説の冒頭。全部暫定。必死に断片集めをしているけれども、なかなか。なかなか。
今日カラオケで見たとあるPVに出てた少女が主人公にぴたりと合っていてそうか! と目から鱗が落ちた。またこれも一つのピース。
あんまりこういう断片を公開するのは私は向いてはいないんだけど。書けるといいなあ。この話。
その美しさをなん時でも眺めていられる、香枝子はそんな子供だった。
夏の初めだった。そうでなくても、雨の多い土地柄だった。霧のような雨が濃い緑の先に滴っていた。水を含んだ香枝子の髪の毛先は重く、サンダルのつま先にのぞく足指が濡れていた。晴れれば良いのに、と香枝子は思わない。香枝子にとって、雨はいつか上がってしまうものだった。そして晴れ間はじきに曇ってしまうものだった。そういうものだと思っていたから、特に感慨も望みもなかった。
遠くで水の跳ねる音がした。水が意志持ちたわむれることはないから、それは魚のはねる音であったのかもしれないが、はねるものは魚だけとも限らないから、やはり香枝子にとっては水のはねる音だった。水源をさがすように香枝子は首を曲げた。そのくせ、地ではなく中空を見上げた。
香枝子にとっては、水は地だけを這うものではなかった。
///////////
今書きたい小説の冒頭。全部暫定。必死に断片集めをしているけれども、なかなか。なかなか。
今日カラオケで見たとあるPVに出てた少女が主人公にぴたりと合っていてそうか! と目から鱗が落ちた。またこれも一つのピース。
あんまりこういう断片を公開するのは私は向いてはいないんだけど。書けるといいなあ。この話。
コメント
小説の冒頭読ませていただきました^^
私は、小説がかけない子なので難しい事はよくわかりませんが
表現の仕方がとても気持ちよく感じました。
「水を含んだ香枝子の髪の毛先は重く、サンダルのつま先にのぞく足指が濡れていた」
ここらへんが私好み(笑)
そのお話がかけるといいですね。
楽しみにしています^^
わー同じですか! 新設の賞なので勝手がわからない部分も多いんですけどね……ふむふむ年末の文学界……。
電撃大賞が中間報告が去年のように出なくてちょっと困っています。駄目だったら他にまわすのにな……。
>riaさん
ありがとうございます(*´▽`*)
こんな断片を目に留めて頂いて、嬉しいです。
滅多にこういった出し方はしないのですがルーズリーフにかきなぐった冒頭が気に入ったので……。
書けたらいいな。応援ありがとうございます!
もしも書けたら、こちらにも一応のせてみますね。
楽しみにしています!(とっても)♪
ありがとうございます励みになります(*´▽`*)
さくらかなさん>
実は雑誌目を通したことがないのではっきりとしたことは言えないですが……
短編は
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/shortshort/oubo_sho.php
もしくは
http://www.mediaworks.co.jp/3taisyo/oubo14a.php
の短編部門しか載っていないかなと思います。
知識が浅く申し訳ないですー
http://hiki.cre.jp/write/?DengekihpTanpensyousetusyou
第7回もあるような、ないような。色々調べたけど、ネットでは要綱なさそうです。
雑誌見ろって?あはは。まだ書いてないから、募集あるなら、書き出そうと思っております。
30〜70ですか……結構広いですね範囲が。
電撃hpなかなか近くの本屋にないのです(>_
良い情報ありがとうです!!